弊社の株主提案が可決し、配当性向100%継続する場合に世紀東急株価が到達するとみられる水準
1,800円以上(※)
※配当利回りをベースに試算、計算の詳細は“株主提案について”をご参照下さい。

世紀東急の独禁法違反について(直近の案件に対する処分と再発防止策の評価)

2019年7月30日付けで公正取引委員会が発表した処分は以下の通りです。
公正取引委員会「アスファルト合材の製造販売業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について」
世紀東急は処分を受けた3件を受けて再発防止策を策定していたにもかかわらず、共同して販売価格の引上げを決定した(以下「価格カルテル」といいます。)ことを自主的に公正取引員会に申告し、課徴金の免除を受けることができませんでした。

公正取引委員会の立入検査(処分が発表された2件について)

  1. ④2016年9月29日、アスファルト合材の製造販売業者が共同して、神戸市及びその周辺地域において供給するアスファルト合材の販売価格の引上げを決定している疑い(リンク
  2. ⑤2017年2月28日、アスファルト合材の製造販売業者が共同して、全国において販売するアスファルト合材の販売価格の引上げ等を決定している疑い(リンク

2019年3月7日、世紀東急は排除措置命令書(案)及び課徴金納付命令書(案)を受領したことを発表しました(リンク)。その中で、取締役報酬の自主返上を実施したことも発表しています。

  • 代表取締役社長      報酬月額の30%(3ヶ月間)
  • 代表取締役専務執行役員  報酬月額の20%(3ヶ月間)
  • 取締役常務執行役員2名   報酬月額の10%(3ヶ月間)

同日、特別損失の計上に伴う業績予想及び配当予想の下方修正を発表しています。世紀東急は、既に課徴金支払いのために3,036百万円を計上していたものの、課徴金支払いのための引当金として4,300百万円の課徴金支払いを見積もっており、既に引き当てていた分との差額である約1,300百万円の特別損失を計上するものでした(リンク)。

2019年7月30日、世紀東急はプレスリリース「公正取引委員会からの排除措置命令および課徴金納付命令について」を発表しました。
また、プレスリリース「特別利益の計上と配当予想の修正」も発表しています。

弊社が特に問題視していることとして、再発防止策の中の「再発の探知と早期発見のための具体策」です。具体的には以下の3つの施策が掲げられています。

  • 内部通報制度の強化
  • 社内リニエンシー制度の導入
  • 内部監査の強化

世紀東急は再発防止を図っていたにもかかわらず、社内リニエンシー制度が働かず公正取引委員会に事前申告することができませんでした。また、この再発防止策は、第三者委員会によって策定されたものではありませんでした。

不祥事が発生した場合は、事実関係の明確化や原因分析結果を踏まえた、実効性のある再発防止策の策定を行うことが企業には求められます。このような考え方から、近年、会社から独立した第三者委員会を設置する企業は増加しています。

上場企業の第三者委員会による調査報告書の公表件数

(出所:第三者委員会ドットコム、弊社加工)

当社の独占禁止法違反は初回ではなく、再発防止策が実効性を備えていないことは、今回の価格カルテルの事案から明らかであることから、独占禁止法違反の再発リスクを放置するのではなく、日本弁護士連合会が策定したガイドラインに準拠した第三者委員会を設置し、当社から独立した専門家の助力を得て、新たな再発防止策を策定するべきだと考えられます。

企業不祥事を起こした場合、株主はリスクが高まったと評価します。リスクが高まれば資本コストは上昇し、株価のバリュエーションの下押し圧力となります。当社が、実効性のある第三者委員会を設置し、株主の信頼を取り戻し、株主価値を向上させることに期待します。

  • 株式会社ストラテジックキャピタル
 
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